(2023年5月7日作成)(2024年6月17日再編集)
恐れながら弊所が法人税務顧問の契約条件として決算月を限定している点について
大変恐れ入りますが、弊所が法人と税務顧問契約を結ぶ場合の方向性として、
・決算月が弊所の望む決算月を採用いただいている法人に限定
・将来的には3月決算月法人の受付を停止、4月決算月法人の受付を停止、8月決算月法人の受付を停止、などさらに限定していく可能性もある
ということを明示させていただきます。ただこれらには理由があり、以下で説明いたします。
・毎年1~3月におけるレスポンスが遅くなる税理士、反対に毎月安定的にレスポンスをくれる税理士、どちらがお好きでしょうか?
・個人事業主の3月15日確定申告期限をずらすことは不可能です、一方で法人は決算月を自由に設定可能です。
・1990年(平成2年)の商法改正により発起人7人以上だった制限を撤廃、2006年(平成18年)の新会社法により取締役が3名以上から1名以上で良くなった、資本金が1円でも設立可能となった、合同会社LLCが認められるようになりました。
・毎月安定的なレスポンスをくれる税理士を成立させるためには、お客様のご協力も必要不可欠です。
・デメリットとして、他人正社員従業員を雇用している場合の社会保険強制加入の負担増が懸念されます。
・デメリットとして、個人から法人成りする場合の譲渡処理等に困難が伴うケースが懸念されます。
弊所の法人税務顧問の決算月の指定・限定は、弊所の単なるわがままではなく、お客様とのwin-winの構築のためであることを、以下において説明いたします。
毎年1~3月におけるレスポンスが遅くなる税理士、反対に毎月安定的にレスポンスをくれる税理士、どちらがお好きでしょうか?
税理士の繁忙期は冬、特に1~3月、なぜなら個人所得税の申告期限が3月15日だから(実は個人の消費税の申告期限は3月31日ですが、こちらの印象は薄いです)、だからこの時期、税理士先生は忙しい、仕方のないことだ、というのは世間一般に認知されていることだと思います。
果たして本当にそれは仕方がないことなのでしょうか?、この疑問からスタートしました。
個人事業主の3月15日確定申告期限をずらすことは不可能です、一方で法人は決算月を自由に設定可能です。
法人を設立した場合、定款で事業年度、つまり決算月を定めることとなります。ここで、
・法人の事業年度は4月始まりで3月決算が常識
のような認識があると思いますが、3月決算は法人全体の2割と言われていますので、割合としては意外と少ないのではないでしょうか。そして、実はこれはそこまで明確な理由があるわけではありません。国や公共機関、教育制度に合わせている、そうなのですが、ただ特に合わせる理由も乏しいと思われます。
決算月が5月、6月、7月であっても確かに違和感はありますが、ただ特に大きなデメリットは存在しないと思われます。
1990年(平成2年)の商法改正により発起人7人以上だった制限を撤廃、2006年(平成18年)の新会社法により取締役が3名以上から1名以上で良くなった、資本金が1円でも設立可能となった、合同会社LLCが認められるようになりました。
「昭和」の時代においては、税理士の繁忙期を避けるために法人を設立するなどという発想は妨げられるような、高いハードルが存在しました。しかし、今は令和の時代です。
・個人事業主のフリーランスとして事業を開始することと、一人法人の代表取締役として事業を開始することにそこまで大きな差は発生しない
ような状態となっております。
毎月安定的なレスポンスをくれる税理士を成立させるためには、お客様のご協力も必要不可欠です。
みなさん、以下のような現象はお好きでしょうか。
・通勤ラッシュの時間帯の満員電車
・ランチタイムに混む飲食店
・昼休み時間に混む銀行ATM
・ゴールデンウィークやお盆、正月の宿泊施設の特別料金
これらは「事業者に対する業務集中時期を発生させている」ことが原因となります。もし仮にその原因を取り除く方法があり、それがそこまで困難でないのならば、社会全体として有意義なのではないでしょうか。
上述の、個人事業主が法人化・法人成りし、税理士の繁忙期を避けた決算月を設定いただけることにより、税理士の業務集中時期を分散させることが可能となり、安定的にレスポンスをくれる税理士を誕生させることができるかもしれません。
みなさまのご理解、ご協力、お願いいたします。
デメリットとして、他人正社員従業員を雇用している場合の社会保険強制加入の負担増が懸念
従業員無しの個人事業主と従業員無しの法人及び法人代表者の差異はあまりない、と言っても過言ではないと解されます。しかし、従業員が存在する場合の社会保険料の負担金額の増加は、無視できない差異と解されます。
デメリットとして、個人から法人成りする場合の譲渡処理等に困難が伴うケースが懸念
固定資産等を有する個人事業主が法人成りする場合は、当該個人事業主から新設法人へ固定資産等の譲渡、売買契約などの処理が伴うケースが想定されます。
また、当該個人事業主が賃貸契約している契約については新設法人への契約内容の変更などの作業が発生します。
その他想定される疑問
・あまり聞きなれない決算月を設定して設立する不都合は本当にないのか?
弊所が調べた限り、不都合が発生するような事例は見受けられませんでした。
・既に設立済みの法人の決算月変更手続きは簡単なのか?
定款において事業年度を定めることで会社の決算月が決まります。定款に定めた決算期を変更するには、株主総会を開催して定款を変更すれば、事業年度の変更に伴い決算期は変更できます。事業年度は登記事項ではないため、変更登記は不要となります。しかし、税務署等には届出が必要です。
まとめ
・法人決算月を考慮いただくことにより弊所及び納税者様双方にメリットが発生しますのでお願い申し上げております。
・これから法人を設立される予定の段階で弊所へご相談いただけている場合は恐れ入りますが、決算月を誘導させていただきます。
・法人成りについては困難さを伴うケースも想定されるため、当然ですが弊所は決して強制しませんので、納税者様の選択を尊重いたします。
現代においてはパソコンも会計ソフトも安いから、自分で自力で確定申告したいけれどいきなりは不安、だけど税理士に依頼するのは気後れする、そんな個人事業主様向けに「3年で税理士卒業ティーチング型税務顧問」を提供している京都の税理士です。弊所卒業生限定で卒業後のスポット相談業務も対応します。税理士業界の繁忙期を避けた決算月を設定されておられる法人会社については長期的な税務顧問を提供いたします。顧問税理士の一時的な業務集中時期発生回避にご協力いただくことは、貴社にとってもメリットが大きいはずです!よろしくお願いいたします。