給与所得サラリーマンは基本的に確定申告不要
勤め先の会社からもらう給与からは毎月一定の所得税が天引きされています。これを源泉徴収所得税といい、月ごとに源泉徴収税額表により金額を前払いしています。しかし、この前払いで納めている所得税はあくまで概算です。
ではどうするのかというと、年末調整において正しい所得税額に計算します。従業員は年末調整のために、年の途中の扶養家族の変更、生命保険料・地震保険料の控除額、2年目以降の住宅ローン控除などについて、会社に必要書類を提出します。これで通常、サラリーマンは確定申告不要で納税完了となります。
サラリーマンで確定申告が必要なケースとは
ではサラリーマンで確定申告が必要なケースとは、どのような場合でしょうか。
1.年の途中で退職し年末調整未済の場合
2.2か所以上から給与をもらっている場合
3.医療費控除を受けたい場合
4.ふるさと納税の寄附金控除を受けたい場合
5.災害等による雑損控除を受けたい場合
順番に見ていきましょう。
年の途中で退職し年末調整未済の場合
リストラ、結婚、出産などによって勤務先を退職した後に、再就職し、再就職先で前職分の給与を通算して年末調整をしてもらっていない人は、確定申告すれば所得税が還付される可能性があります。
退職した会社から受け取った源泉徴収票をもとに、1年間に支払った生命保険料や損害保険料、退職後に支払った国民年金保険料や国民健康保険料を加えて申告書を作成します。
2か所以上から給与をもらっている場合
日本企業は従来、副業、兼業を禁止して終身雇用を守ってきました。しかし現在はそれも崩壊しつつあり、大企業が副業を認める時代となってきました。
今後は本業の定時後に、副業としてコンビニでアルバイトしたり、土日のみ家庭教師として働かれる方が増えてくるかもしれません。この様な場合は本業の会社では年末調整するものの副業の給与が反映されていないため、年末調整では完了することができません。
2つの給料を合計して所得税を再計算する確定申告が必要となります。2ヶ所以上の会社から給料をもらった場合の具体的な所得税の計算例はこちらのページをご参考ください。
医療費控除を受けたい場合
病院の領収証を集めて10万円を超えたら医療費控除が受けられる、というフレーズは誰しもうっすらと聞いたことがあるかもしれません。厳密に言えば、所得が200万円未満の人はその所得の5%を超えれば医療費控除を使用できます。
医療費控除は年末調整では反映できないので、必ず確定申告が必要となります。医療費控除を受けたい場合の具体的な所得税の計算例はこちらのページをご参考ください。
ふるさと納税の寄附金控除を受けたい場合
ふるさと納税とは、所得控除における「寄付金控除」のことをさします。自分の好きな自治体に対して寄付します。
この寄付金は所得税の寄付金控除の対象であるほか、住民税の控除対象となります。寄付金のうち2,000円を超える部分が全額控除されます。実質2千円で寄付をした自治体から御礼の特産品をもらえます。
ふるさと納税ワンストップ特例の適用を受けた場合は確定申告は不要ですが、それ以外の場合は所得税の確定申告が必要です。ふるさと納税をした場合の所得税確定申告の具体的な計算例はこちらのページをご参考ください。
災害等による雑損控除を受けたい場合
住宅や家財が、地震や台風や火災によって被害を受けたとき、盗難や横領を受けたときは、その被害額に対して雑損控除を受けることができます。ただ残念ながら、振り込め詐欺、特殊詐欺、といったような詐欺被害の場合はその適用がありません。
災害に関する取り壊し費用、原状回復費用なども控除対象に含めることができます。控除の対象額をその年の所得から控除しきれない場合は、最長3年間繰り越し控除を受けることができます。
災害で住宅や家財の時価1/2以上の損害があったときは「災害減免額」という税額控除を受ける方法もありますが、雑損控除とは併用できません。
災害等による雑損控除を受けたい場合の具体的な計算例はこちらのページをご参考ください。
以上京都の税理士が給与所得と確定申告について解説させていただきました。
現代においてはパソコンも会計ソフトも安いから、自分で自力で確定申告したいけれどいきなりは不安、だけど税理士に依頼するのは気後れする、そんな個人事業主様向けに「3年で税理士卒業ティーチング型税務顧問」を提供している京都の税理士です。弊所卒業生限定で卒業後のスポット相談業務も対応します。税理士業界の繁忙期を避けた決算月を設定されておられる法人会社については長期的な税務顧問を提供いたします。顧問税理士の一時的な業務集中時期発生回避にご協力いただくことは、貴社にとってもメリットが大きいはずです!よろしくお願いいたします。