(2024年9月24日作成)
結論
・個人消費税については会計ソフトを購入すると機能の一部として備えていることも多く、個人消費税計算用にソフトを購入することや、確定申告書作成コーナーへ転記することは少ないと解されます。
・個人所得税については会計ソフトを購入すると機能の一部として備えていることも多いですが、確定申告書作成コーナーの個人所得税は優れているため利用する価値はあると解されます。また二重利用による二重チェックにも利用可能です。
・贈与税については、簡易な贈与であれば確定申告書作成コーナーで対応可能と解されますが、複雑な贈与の場合は市販税務ソフトが必要と解されます。
・相続税、法人消費税、法人税については確定申告書作成コーナーで税目が存在せず、市販税務ソフト購入が必要と解されます。
下記で詳細を記述します。
税目別市販の有料会計税務ソフトと確定申告書作成コーナーの優劣比較(弊所使用経験有りのソフトのみ)まとめ
まず下記の表をご参考ください
(表1)e-tax可能な税目別市販の有料会計税務ソフトと確定申告書作成コーナーの優劣比較(弊所使用経験有りのソフトのみ)まとめ表
下記で表の内容を記述します。
個人消費税については会計ソフトを購入すると機能の一部として備えていることも多く、個人消費税計算用にソフトを購入することや、確定申告書作成コーナーへ転記することは少ないと解されます。
個人消費税の計算は、まず手書き手計算の場合とパソコン会計ソフト利用の場合で大きく異なります。
・手書き手計算の場合は、課税対象取引、課税対象外取引、10%、軽8%などに区分集計して確定申告書作成コーナーへ転記して消費税納税額を算出することになります。
・パソコン会計ソフト利用の場合は、仕訳の入力時に課税対象取引、課税対象外取引、10%、軽8%などを区分して入力すれば、消費税納税額は自動で算出されることになります。
弊所は税理士事務所であり「パソコン会計ソフト利用」が大前提となっているため、手書き手計算による消費税計算は想像ができません。近年の複数税率導入、さらにはインボイス方式導入に伴う経過措置など、あまりに集計が複雑すぎるので、パソコンが無ければ現実的ではない、というのが弊所の考えです。
パソコン会計ソフトですが、個人事業主向けの会計ソフトは消費税計算機能が備わって提供されていることが多いです。したがって個人消費税用のソフトのみを用意するという場面に遭遇することが無く、意識することが無いかもしれません。なお、消費税計算専用税務ソフトとしては、消費税の達人が有名です。
個人所得税については会計ソフトを購入すると機能の一部として備えていることも多いですが、確定申告書作成コーナーの個人所得税は優れているため利用する価値はあると解されます。また二重利用による二重チェックにも利用可能です。
まず個人所得税の計算の流れは、会計処理、税金計算となります。つまり個人事業主はまず会計ソフトを選ぶことになるのですが、会計ソフトに個人所得税計算機能が備わっていることが多いです。つまり、個人事業主向けの会計ソフトを選ぶこと≒個人所得税計算ソフトを選ぶこと、といって過言ではないことになります。
・ソリマチ㈱、みんなの青色申告、みんなの確定申告が無償提供により個人所得税が計算可能
・㈱弥生、やよいの青色申告、個人所得税計算機能有り
・㈱マネーフォワード、クラウド確定申告、個人所得税計算機能有り
・フリー㈱、freee会計、個人所得税計算機能有り
・ジョブカン青色申告、個人所得税計算機能有り
・やるぞ青色申告、個人所得税計算機能有り
しかし、個人所得税については確定申告書作成コーナーのほうが優れている場合があります。あくまで弊所の私見ですが下記で記述します。
・純損失の繰越が、前年度データより作成の場合は自動反映されて誤りが少ない
・ふるさと納税のエスコートが優れており、入力が早い
・ふるさと納税以外の寄付金控除のエスコートも優れている
したがって、会計ソフトの損益の数字のみを利用し、敢えて確定申告書作成コーナーを利用することの有意義と解されます。
贈与税については、簡易な贈与であれば確定申告書作成コーナーで対応可能と解されますが、複雑な贈与の場合は市販税務ソフトが必要と解されます。
贈与税については下記となります。
・現金や単純な不動産の贈与であれば財産評価が単純であり、確定申告書作成コーナーのみで完結する可能性も高いです。
・複雑な形状の土地による減額やその他複雑な財産の贈与が関係する場合は、財産評価のソフトが必要になると解されます。
例えば、親子間の現金の贈与であれば市販税務ソフトは不要と解されます。
相続税、法人消費税、法人税については確定申告書作成コーナーで税目が存在せず、市販税務ソフト購入が必要と解されます。
現在においては、相続税、法人消費税、法人税については確定申告書作成コーナーで税目が存在しないため、市販税務ソフトの購入が必要となります。またそもそも当該税目の自力確定申告の難易度は高いので税理士に依頼する可能性が高く、そうすると納税者ご自身が市販税務ソフトを購入することも稀であると解されます。
まとめ
・個人事業主は会計ソフトを購入すると、所得税及び消費税がついてくるというイメージとなります。そして当該ソフトから直接電子申告送信できるなどの開発がされております。
・しかし、確定申告書作成コーナーのほうが優れている場合もあります。