(2024年9月24日作成)
結論
・電子申告「送信」方式は複数存在しますが、個人事業主についてはマイナンバーカード及びICカードリーダー必要方式を選択してもよいと解されます。
・電子申告「送信」方式は複数存在しますが、一般個人の方がある年に一度だけ確定申告するのであれば、マイナンバーカード及びスマホ読取方式又はIDパスワード方式でよいと解されます。
下記で詳細を記述します。
電子申告「送信」方式は複数存在します
e-tax・イータックス、電子申告、などの理解をより複雑にしていることの一つに電子送信方式が複数存在することも理由の一つと解されます。
・昔は電子証明書の取得及びICカードリーダーが必要でした
・マイナンバーカード導入後もマイナンバーカード及びICカードリーダーが必要でした
・ICカードリーダーは有料であるとの批判がありました
・2019年にICカードリーダー不要のIDパスワード方式が暫定措置として導入されました
・2021年のマイナンバーカード及びスマホ読取方式導入によりICカードリーダーが不要となりました
・しかし、マイナンバーカード及びICカードリーダー必要方式以外は機能に制限がかかる状態です
上記が現状となります。優劣を並べると下記となります。
マイナンバーカード及びICカードリーダー必要方式>マイナンバーカード及びスマホ読取方式>IDパスワード方式
また下記の表をご参考ください。
電子申告送信方式別の優劣比較まとめ | 電子申告送信方式名(弊所独自の命名含む) | 必要な機器など | 必要なもの | メリット | デメリット | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
個人事業主及び個人 | マイナンバーカード及びICカードリーダー必要方式 | マイナンバーカード及びICカードリーダー | ・利用者識別番号及びパスワード ・マイナンバーカード ・ICカードリーダー | e-taxソフトを利用できてすべてのe-tax行為が可能となる | ICカードリーダーを購入する必要がある | ICカードリーダーは安いものもありそこまで金額的負担は少ない |
〃 | マイナンバーカード及びスマホ読取方式 | マイナンバーカード及びスマホ | ・利用者識別番号及びパスワード ・マイナンバーカード ・スマホ ・利用者証明用電子証明書パスワード | ICカードリーダーが不要 | e-taxソフトを動かすことができない | 令和4年1月4日(火)から開始した方式であり、対応したe-tax行為は限定されている |
〃 | IDパスワード方式 | 税務署が発行したIDパスワード | ・IDパスワード(利用者識別番号及びパスワードと全く同じ見た目) | IDパスワードのみで電子申告送信可能 | 「確定申告書等作成コーナー」でのみ利用できる送信方式 | 暫定的な方式と言われている |
法人 | マイナンバーカード及びICカードリーダー必要方式 | ・法人代表者のマイナンバーカード又は電子証明書及びICカードリーダー | ・利用者識別番号及びパスワード ・電子証明書 ・ICカードリーダー | 当該方式以外選択の余地はない | 当該方式以外選択の余地はない | 当該方式以外選択の余地はない |
〃 | マイナンバーカード及びスマホ読取方式 | 存在しない | 存在しない | 存在しない | 存在しない | 存在しない |
〃 | IDパスワード方式 | 存在しない | 存在しない | 存在しない | 存在しない | 存在しない |
(表1)e-taxにおける電子申告送信方式別の優劣比較まとめ表
表の内容を下記でまとめます。
電子申告「送信」方式は複数存在しますが、個人事業主についてはマイナンバーカード及びICカードリーダー必要方式を選択してもよいと解されます
マイナンバーカード及びICカードリーダー必要方式のメリット、デメリットは下記となります。
・メリットは、e-taxソフトが使用できるためすべてのe-tax行為が可能となります。
・デメリットは、ICカードリーダーが有料かつwindowsOSが新しくなることによりICカードリーダーも買い替えなければならないことも起こることになります。
・しかしICカードリーダーは1,000円から2,000円程度でも購入可能です。
e-tax行為は申告だけではなく、申請書の申請・届出書の届け出・電子納税、となります。個人事業主のe-taxは単年の話ではなく、毎年発生する話ですので、当該方式を選択する価値及びメリットはあると解されます。
電子申告「送信」方式は複数存在しますが、一般個人の方がある年に一度だけ確定申告するのであれば、マイナンバーカード及びスマホ読取方式又はIDパスワード方式でよいと解されます。
マイナンバーカード及びスマホ読取方式とIDパスワード方式の違いは下記となります。
・マイナンバーカード及びスマホ読取方式はマイナンバーカードの取得が必要であること、マイナポータルアプリのインストールが必要であること、利用者証明用電子証明書パスワードが必要であること、となります。
・IDパスワード方式は、IDパスワードのみ必要となります。なお国税HPの質問において「ID・パスワード方式のID・パスワードとe-Taxの利用者識別番号・暗証番号(e-Tax用のID・パスワード)は同じものですか。同じものです。ID・パスワード方式のIDはe-Taxの利用者識別番号のことであり、パスワードはe-Taxの暗証番号のことです。」とあります。
マイナンバーカード及びスマホ読取方式はe-taxソフトは動かすことはできませんが、e-taxのweb版ではインボイス申請のように一部は対応しているようです。IDパスワード方式は確定申告書作成コーナーのみで利用できることになり、唯一申告のみ可能ということになります。
以上から一般的な個人の方がごくまれに確定申告を行う場合には、当該方式のいずれかでよいのではないかと解されます。
まとめ
・個人事業主はマイナンバーカード及びICカードリーダー必要方式を選択する価値はあると解されます。
・個人事業主以外の方は「マイナンバーカード及びスマホ読取方式」又は「IDパスワード方式」でよいと解されます。